【回想編②】消えていったひとたち〜Vista-8.1〜

Windows Vistaの初期デスクトップ画面。左に「ごみ箱」アイコン、右端に時計やフォトビューア、Windows Mediaのガジェットが表示されている。 【UX神話RPG】Windows Quest
美しさと重さが共存していた時代。

VISTA時代になると、彼は仕事の重圧からか、メンタルが不安定になっていた。

暗い室内でスーツ姿の男性が両手を組み、うつむいた表情で深く考え込んでいる。胸元にはWindows Vistaのロゴが入っている。

フリーズすることが度々あり、この頃の彼と私は、ただの職場の同僚の関係になっていた。


7時代も、彼のプライベートは知らない。
ただ、その頃には吹っ切れたのか、かつての不安定さは消え、黙々と仕事をこなしていた印象がある。

青い背景にWindowsのロゴが映る前で、胸元にWindows 7のロゴが入ったスーツを着た男性が、真剣な表情で前を見つめて立っている。

彼自身が幸せだったかどうかは分からない。
でも、その安定した仕事ぶりから、多くの人の信頼を得ていたと思う。


8.1時代の記憶は、曇り空のようにぼんやりしている。
ソーテック少年は成人して、遠方の街へ引っ越し、優しかったXPも、もういない。

そんな私を心配してか、グーグル先生は1枚のお見合い写真を渡してきた。

そこには、「気さくで付き合いやすい」と評判のレノボさんが写っていた。
きっちりとした黒スーツに、どこか優しげな目元。

落ち着いた表情で微笑む白髪の男性が、スーツの襟にGoogleのロゴバッジを付け、眼鏡越しにこちらを見ている。

「安心して。きっと気が合うよ」――そう言って先生は微笑んでいた。


魔女:(……あまり気乗りしないけど、先生の紹介だしな)

私はずっと、ホワイトやメタリック系ばかりを使ってきた。
だから、ブラックカラーのレノボさんには、少し抵抗があった。

魔女:(先入観で決めちゃうのも大人気ないし、みんなの評判は良いからきっと大丈夫!)

私はそう言い聞かせて自分を納得させた。
そして実際に出会ったレノボさんは、写真の印象とは違ってLANケーブルの差込口が歪んで見えた。

魔女:(まさか評判の良いレノボさんが、歪んでるわけないよね?)
「気のせい、気のせい」と自分を言い聞かせて、無理やりねじ込んだ。

魔女:(あれ?やっぱり変だな……引き抜いて差し込み直すか……)
しかし数回引き抜こうと試行錯誤したけど、微動だにしない。

黒いスーツを着た男性が、不敵な笑みを浮かべながら片手にLANケーブルの端子を持ち、こちらに見せている。

世間の評判とは裏腹に、レノボさんは私のLANケーブルを奪って、静かに姿を消した。
なんともやりきれない思いだけが心に残った。


そのあと、キラキラしたモニタの反射が印象的な、ダイナブック先輩と付き合った。

金色の光に包まれた背景の中、金髪で青い瞳の男性が微笑み、ノートパソコンの画面越しにこちらを見つめている。

まるで夢の中にいるような人だった。

けれど、3年保証が過ぎた1週間後の週末、彼はスリープから目覚めなくなった。
見た目は好きだったけど、ただひとつ「とても間の悪い人」という印象だけが残っている。

レノボさんとダイナブック先輩。
このふたりの印象が強すぎて、8.1のことはあまり覚えていない…。


世間の評判と、私が実際に経験したことは、必ずしも一致しないことがある。

世間では良いと評判でも私には合わなかったり、逆にそうじゃないこともある。
ただ一つ言えるのは、私が実際に経験したことが、私にとっての真実だということだ。

だから、人の話を聞くことも重要だけど、それを鵜呑みにしないことも同じくらい大事。
実際に相手と向き合い、自分の目と耳で判断する。
これが後悔しない自分の選択をするためにも一番大切なのだと思う。

彼らの存在は確かに今も、私の記憶の片隅に残っている──


⏭️次回予告
【回想編③】ヒューマンパッカーズ(HP)〜Win10〜

🔙前回の記事
【回想編①】草原に遺した記憶〜XP〜